どうも、太陽です。
教育現場で「超一流」や「一流」のプロフェッショナルがほとんど見られないのはなぜでしょうか?
例えば、英語の翻訳者や通訳者、ビジネス界やスポーツ界で活躍するトップレベルの現役プレーヤーが、学校の教師として教壇に立つことはあまりありません。
以下の記事では、こうしたプロが教育業界に少ない理由や、教育への影響について考察しています。
また、教育の質を高めるために、プロフェッショナルに近い思考法や指導法を取り入れる重要性についても触れ、教師がそのような外部の専門家を紹介する役割を担うことができればと提案しています。
先生は大変というけれど。。。「実力者は教育業界にはほぼいない」
さらに、以下の記事では「ミラーニューロン」による影響力についても触れています。
人は周囲から無意識の影響を受けやすく、特に小学生は暗示にかかりやすい年代だと言われています。
催眠術の効果「人間はミラーニューローンによって同期し、変わる」仮説 PART1
また、次のような仮説も立てています。
「教師には民間の分野で活躍する機会が少ない人も多く、またミラーニューロンによって子どもたちは無意識に周囲から影響を受けるため、指導力のばらつきが生徒に影響を与えるのではないか」というものです。
特に小学生のように影響を受けやすい年代では、指導力の安定が重要なポイントとなるでしょう。
一方で、「教師の影響はそこまで大きくない」とする意見もあります。
この記事では、こうした仮説と共に、教育における指導の影響についてさらに考察しています。
興味のある方は、ぜひ続きをご覧ください。
1 ドラえもん理論とは?
まず、橘玲氏が提唱する「ドラえもん理論」について紹介します。
この理論では、友人間で「キャラ作り」が重要とされています。
友達同士で個性を活かし、自然と役割分担ができるような立ち位置が確立されていく、という考え方です。
例えば、クラスに「出来杉くん」のような秀才がいると、それに反発する「ジャイアン」キャラが現れ、親の威光を使う「スネ夫」キャラも登場します。
そして「しずかちゃん」のような研究者タイプが加わり、最後に特別な能力はない「のび太」キャラができるのです。
キャラクターがかぶると居心地が悪くなるため、自然とそれぞれ異なるキャラが立ち、集団が形成されます。
のび太は「優しいね」と褒められることが多いですが、実は「優しさ」という特徴は、ジャイアンやスネ夫以外なら誰でも持っている可能性が高く、「特別な能力がない子」に対する慰めの言葉でしかないという指摘もあります。
この理論が本当に成り立つなら、教師が優秀でなくても子どもたちは自然にキャラを作り、自分で成長していくことになります。
現代の学校システムや教育思想については、時代遅れな面が指摘されることが多く、いわゆる「ガラケー」になぞらえ「ガラ教」とも言われます。
時代に合わない価値観や知識を教えることが、教育の本来の目的から離れてしまうと感じられる場面も少なくありません。
また、教師の「教える力」も重要な課題のひとつです。
子どもたちはミラーニューロンの働きにより、無意識のうちに教師の姿勢や態度から学んでしまうため、指導力の不足は学習効果にも影響します。
しかし一方で、近年では学びの環境が多様化し、優秀な子どもほど外部の塾などで学習を補うため、結果的に学校での教師の影響力は薄まってきているとも考えられます。
ただ、外部リソースに頼るのが難しい家庭の子どもたちにとっては、教師の影響は大きく、教育格差の要因ともなり得ます。
特に経済的に恵まれない家庭では、学校外での学びの機会が少なく、こうした状況は貧困層、とりわけシングルマザー家庭に顕著です。
この解決策として、シングルマザー家庭向けの「寺子屋」のような学習支援施設や、専門講師の派遣が効果的でしょう。
以前提案したシングルマザー向けシェアハウスと併せてこうした支援を整えることで、貧困層の学力低下を緩和し、塾に通う子どもと同等の学習効果を期待できるでしょう。
少子化対策としても、「産みたい人が出産し、育てたい人が育てる」という新たな選択肢が議論されています。
特に、育児に難しさを感じる出産希望者と、子どもを育てたいと願う里親を結びつけるマッチングの場を提供することは有効な手段の一つです。
優れた遺伝的素質を望む里親と、その希望に応えられる出産希望者とをつなげば、少子化の改善に貢献できる可能性もあります。
また、シングルマザーが子どもを「寺子屋」のような学習施設に預けた場合、「学校で人間関係を築けないのでは」といった懸念もあるかもしれません。
しかし、アメリカのホームスクーリングのように「環境が悪い子どもと関わらせるよりも、自己投資として能力を伸ばすべき」という考え方もあります。
特にアメリカでは、薬物などの問題を避けたい親が増え、ホームスクーリングの考え方が広がっています。
このように見ていくと、学校の教師による影響は、ある程度回避できるとも考えられます。
裕福な子どもは塾で学びを補い、経済的に恵まれない子どもには「寺子屋」や講師派遣でサポートすることで、教育格差の緩和が可能です。
2 高校は大学入試制度によって成り立っている
小学校・中学校については外部の塾や学習支援施設で教師の影響を補完できますが、高校ではさらに、大学入試という制度によって教師の影響が相対的に少なくなっています。
生徒もある程度成長し、大学入試が学習の大きな目標となるため、教師が完璧でなくとも、参考書や問題集が充実している今、自習や塾の活用で必要な学力を十分に伸ばせるでしょう。
理想の高校とはどのようなものでしょうか?
予備校講師による少人数授業やディベートが行われ、優秀な生徒が切磋琢磨できる環境が望ましいでしょう。
特に大学入試の指導は、専門知識豊富な予備校講師による指導がより効果的だと考えられます。
ただ、大学入試では評価されないコミュニケーション力、創造力、文章力、ビジネス知識などについては、専門のプロと触れ合いながら学ぶ機会が理想的です。
こうした機会が得られれば、生徒にとって貴重な学びを得る「VIP待遇」とも言える環境になるでしょう。
現在、日本の高校ではこうしたスキルを磨く場は少なく、大学入試に特化した教養学習が中心です。
しかし、全く目標がないよりは良く、大学入試があることで高校の秩序が保たれ、教師の影響も軽減されているといえます。
現在の生徒たちは、ミラーニューロンによる影響よりも、大学入試や参考書、塾などからの支援で成長しているのが現状でしょう。
このように見ていくと、「教師の影響力が以前ほど強くない」という仮説も成り立ちます。
北欧諸国では、大学院を出なければ教師になれないほど厳しく選別し、質の高い指導を確保していますが、日本では大学入試制度によって教育の全体をなんとか支えています。
現在の日本の教育現場に優秀な教師が入っても異端視される可能性があり、また、教師志望者が減少している現状では大学入試制度の存続が不可欠でしょう。
一方で「文系大学入試の意義が曖昧」といった問題も未解決で、教育改革に向けた課題は山積しています。
もちろん、すべての教師が無能で悪影響を与えるわけではなく、ここで述べているのはあくまで「傾向」についての話です。
僕の知人に、元高校数学教師だった方がいます。
彼は「教師には個性的な人が多かった」と話しており、その結果、自分も高校教師を辞めて現在はプログラマーとして働いています。
僕は彼のことを良い人だと思っているため、彼のような人が高校教育の現場から離れたことを残念に感じるとともに、教育業界に対して改めて疑問を抱くようになりました。
教師の影響をなるべく避け、大学入試を突破したい人には以下の書籍がおすすめです。
「受験の叡智【受験戦略・勉強法の体系書】共通テスト完全対応版」
(「恋愛工学」で知られる藤沢数希氏による本で、信頼されています)
ではこの辺で。(3449文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。