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宗教対立と宗教戦争について、島田裕巳さんの本を読んでまとめました。

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どうも、太陽です。(No173)

 

突然ですが、「宗教対立と宗教戦争やテロ」について論じていきます。

「宗教対立がわかると「世界史」がかわる」という本を参考にしてまとめます。

興味がある人は続きをお読みください。

目次

1 本来の宗教の姿と、宗教対立と宗教戦争。

まず、宗教の本来の姿を暴いていきます。

宗教とは対立戦争を生むものです。

日本は島国で、外来勢力の侵略をほとんど受けてこない歴史だったので、理解しにくいかもしれません。

 

ロシアによるウクライナ侵攻も、いろいろな理由がありますが、「宗教対立がわかると「世界史」がかわる」という本によると、宗教問題も関与しているそうです。

 

最近は日本在住の外国人が2020年6月末で、288万6000人弱となり、宗教的な問題も増えそうです。

現代の日本人は宗教対立に鈍感で、深く理解していません。

国際化が著しく発展した現代においては、「宗教対立の本質」を知ることが大事です。

「宗教対立がわかると「世界史」がかわる」という本の一部をざっくり、要約しますので、読んでみてください。

 

イスラム教徒が一番多い国はインドネシア(第一位)で、人口の90%、その数は約2億人になります。

中東全体の人口は2億6000万人ですが、そこにはユダヤ教徒が4分の3を占めるイスラエルも含まれます。

 

インドネシアのイスラム教徒の数と、中東全体のイスラムイスラム教徒の数は拮抗しています。

インドネシアの次にイスラム教徒の数が多いのがパキスタン(第2位)で1億7000万人です。

そして、バングラデシュも1億4500万人います。

 

インドはヒンドゥー教徒が8割を占めますが、イスラム教徒も1億6000万人(第3位)います。

 

イスラム教はキリスト教と異なり、教会のような制度がなく、組織(教団)がありません。

モスクも礼拝のための施設であり、信者はモスクに所属していないのです。

 

また、キリスト教の場合は「キリスト法」のような「信者が一律に従う宗教法はない」です。

ですが、イスラム教はコーランやハディースを基盤とした「イスラム法」(シャリーア)が存在しています。

キリスト教は宣教活動をし、信者を増やし、信者になった者には洗礼を施し、教会の正規メンバーに加えていきます。

しかし、イスラム教には宣教という考え方が存在しませんし、洗礼もありません。

 

イスラム教は商人を媒介にして広まりましたが、「同じ法に従うこと」が商売を行う上で有利だったからでしょう。

 

イスラム教には「組織がない」ので、組織が戒律を強制したり、戒律を守らない者を罰することはありません。

(ただし、国家が法律として制定することはある)

キリスト教は原罪の概念がありますし、罪深さに気づいて、回心することもあります。

しかし、イスラム教には原罪の概念がなく、贖罪を求めることもありません。

 

イスラム教徒が実践すべきなのは「信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼」の5つで「五行」と呼ばれるものです。

イスラム教は相当に「緩い」宗教なのです。

 

そして、キリスト教もイスラム教も一神教であり、一神教は「唯一の神」を対象としていますから、「排他的でそれが宗教対立を生む」と思われがちですが、「多神教も寛容ではない」のです。

日本や中国は多神教の国です。

で、「儒教、道教、仏教のうち、どれが一番優れているか」を巡って議論が巻き起こったり、それぞれの宗教が優位性を主張してきた歴史があります。

議論だけなら良いですが、権力者が絡み、弾圧などに発展しました。

 

国家からすると土地は生産の場で、そこに課税をすれば儲かります。

ですが、それを阻害したのが宗教団体が持つ土地だったのです。

宗教対立が深刻化した理由は、「教えの違い」というよりも、土地領地がかなり関係していたのです。

 

また、多神教の世界では「教えの提唱者がいない」代わりに、神々の物語である神話が存在します。

そして、神話はナショナリズムにかなり影響を及ぼします。

個々の神話は、一つの宗教において共有され、「その宗教がいかに優れているか」、あるいは「信奉する民族がいかに優秀であるか」の根拠として活用されます。

他の宗教や民族と対立したとき、特にそれが強調されます。

そして、神話は自分たちを聖化し、他の宗教や民族の価値を否定するために使われるのです。

 

多神教である神道(しんとう)もヒンドゥー教民族宗教であり、そこでは神話を根拠としたナショナリズムが形成されるのです。

ナショナリズムは自分たちの民族が優秀であり、他の民族を下に見ています。

その点では、一神教以上に多神教は対立を生む不寛容な宗教です。

 

ところで、オウム真理教の幹部たちの中には高学歴の人間が多かったのです。

そして、同時多発テロの実行犯と補佐役にもハンブルグ工科大学、その留学生やハンブルグ専門大学の留学生などがいて、高学歴でした。

自爆テロリストの共通点として、以下があります。

貧困にあえぎ、満足な教育を受けられなかったのではなく、むしろ高い教育を受けて大きな可能性が広がっていたのに、厳しい現実にぶつかり、それを容易には解決できない状況です。

 

マルチ商法に引っかかりやすいのは、「高卒で出来のいい若者か、大卒の出来損ないだ」と言われています。

テロリストの場合も、優秀だと思っていて、一流の大学に進みました。

しかし、その生い立ちなどから思っていたほど十分な待遇を得られず、劣等感を育て、それが彼らをテロリストに走らせた可能性が考えられます。

 

ちなみに、テロリストはゴルゴ13のように完璧ではないですし、メンバー間の固いつながりもありません。

むしろ、未遂でバレたり、つかまったら簡単に自白するなど、「チンケな若者」なのが実態だそうです。

 

ところで、キリスト教では性の目覚めが、自らの罪深さの自覚に結びつき、自分を卑下するようになります。

しかし、イスラム教には人間を「罪深い存在」としてとらえる視点がまったくありません。

なので、イスラム教の回心の体験を経ると、罪深さを感じるのではなく、むしろ自分は神に対する正しい信仰を確立した者であるという自覚を得ます。

 

それは一般の社会において自らを「落ちこぼれ」と認識していた人間に絶対的な自信を与え、まさに選民思想を抱かせるのです。

そして、信仰を知らない人間が生活する外側の世界は「破壊してもかまわない、いや破壊すべき」という境地に達します。

しかも、殉教者は神によって天国に召されますから、彼らは自爆テロも怖くないのです。

 

信仰は現世に価値を置きません。

現世よりも来世に価値を置きます。

ですので、「社会の状況が悪化した」と思ったら、「生きることよりも死ぬこと」に宗教的な価値を感じます。

それが、暗殺や自爆テロ、抗議の焼身自殺に結びつきます。

加えて、そこに宗教が関わり、宗教対立の火種になりえます。

 

さて、2016年時点での西ヨーロッパ各国の人口に占める「イスラム教徒の割合」は以下です。

フランスは8.8%、ドイツは6.1%、イギリスは6.3%、スウェーデンは8.1%、デンマークは5.4%、ノルウェーは5.7%です。

今後も伸びていくと思われ、ヨーロッパのイスラム化が叫ばれています。

 

一方、キリスト教の教会への出席率が低下しており、以下のようになっています。

スウェーデンは6%、ノルウェーは7%、イギリスは8%、ドイツは10%、フランスは12%、スペインは15%、ギリシアが16%です。

キリスト教徒は「信仰に熱心で、日曜の礼拝に参列しているというイメージは過去のモノ」なのです。

一方で、イスラム教圏からの移民は増大し、キリスト教の信仰は衰えています。

 

さて、実は女性差別の根本には宗教があります。

仏教には「女性は成仏できない」という考え方があります。

一神教の神は男性であり、キリスト教の三位一体には女性ないしは女性的なものは含まれません。

イスラム教も、あくまで男性中心の宗教です。

女性は保護の対象にはなっても、「男性に従うべきもの」とみなされています。

 

こうした宗教の「女性差別の認識」から、先進国では、宗教の衰退が起こっているのかもしれません。

さらに、それぞれの宗教は、平和を説きますが、その根本には、自分たちの宗教が勢力を拡大し、世界全体を覆うようになれば「世界は平和になる」という考え方です。

だからこそ、キリスト教では宣教が行われます。

イスラム教は積極的な宣教は行われませんが、イスラム法が行き渡った世界を理想としています。

この価値観も、多様化した現代では受け入れがたいでしょう。

 

しかし、イスラム教に関しては勢力が拡大しており、イスラム教が広がった国では人口が増加し、それが信者数の増加にもつながっています。

そうした国でも経済が発展していけば、少子化になりそうで、すでにその兆候は見られます。

先進国では移民を除けば、イスラム教徒が増えていきそうにないです。

イスラム法に従って生活するのは、自由を重んじる人々の間では採用されないはずです。

 

宗教対立・宗教戦争は過去にたくさん起きてきた歴史があり、現在も続行中で、未来も不透明です。

僕たちが「宗教対立・宗教戦争を起こさないことでできることがある」とすれば、「宗教対立への個々の事柄への深い研究だ」と著者は言います。

宗教同士の対立は「教えが異なるから」だけでなく、土地支配と被支配など、複雑なのです。

 

相手の存在を否定し、ましてや武力によって打ち倒すべきと考えるべきではありません。

(教えの違いが単純に宗教対立を生んできたわけではない)

 

最後に、本書はもっと深く、細かい記述が満載の本です。

もっと詳しい内容を知りたい方は、こんなダイジェスト(要約版)ではなく、以下の本を読んでください。

「宗教対立がわかると「世界史」がかわる」

 

著者は宗教の著者としては有名人の島田裕巳氏です。

宗教本の第一人者ではないでしょうか?

興味がある方はぜひ!

 

ではこの辺で。(4075文字)

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

参考・引用文献。

「宗教対立がわかると「世界史」がかわる」

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この記事を書いた人

大量の情報を咀嚼して、独自の視点からの考察・分析・エッセイ記事などを書いています。

質で勝負するブログのため、敢えて正体を明かしていません。

ブロガー歴10年以上。多数のブログ運営経験あり。

得意分野。経済、ビジネス、教育、心理学、執筆、アイデア発想など。

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